●序奏
1965年の秋、英文科在学2年のAさんは、都内の某大学のマンドリンアンサンブルの定期演奏会に友人に誘われて行った。
その時アンサンブルの音色を聞き鳥肌が立った。
そしてまたマンドリンを弾きたいアンサンブルをやりたいとの思いが、マンドリンを購入しよう!に。
そして、その冬、アルバイトをしてマンドリンを手にした。
●志し
Aさんは、大学の寮にいたBさん(英文科同期ギターをやっていた)のもとへ毎日の様に購入したマンドリンを抱えて通い、合奏を何度も何度も繰り返した。
その頃からマンドリンアンサンブルをこの神奈川大学に創りたい、との思いが2人の心に満ち溢れていた。
そして2人は、創部の決意をする。
「新しい団体を作るからには、徹底してやろう。未経験者であろうが、止めずにやると確約する人を加え創ろう。」
●同志
創部について大学当局と幾度も話し合い、最低5名の登録及び大学職員の顧問が必要とのこと。
Bさんの同室であったやはり英文科同期のCさん、後にゼミも一緒に成ったDさん、Eさん、皆さん、楽器演奏の経験が無かったたが、「止めずにやる」ことを確約して加わった。
練習場所は、もっぱら大学寮若しくはEさんの下宿など、そしてその下宿にいた後輩でギター経験者のFさんが加わった。
●マンドリン同好会設立
1967年春、大学当局に「部会」申請を行った。顧問には、ゼミの先生にお願いし、大学当局から創部の承認を貰った。
神奈川大学マンドリン同好会(神奈川大学マンドリンアンサンブル「KME」)の誕生である。
設立時申請時の登録者氏名及び人数は、不明であるが、過去の演奏会パンフレットに「創部は、英文科5名のサムライ」との記載がある。
●展開
1967年春 部員をとにかく増やしたいとの思いから「在学者、新入生を含めた入部勧誘は、結構、嘘八百を並べて行った」とのこと。
1967年及び1968年もそれぞれ10数名の入部者。
創部から間もなく50年、500名以上の同窓者、そして今もKMEは歴史を繋いでくれている。
●「志しの2名」の別れ
1969年卒業の時 BさんはAさんと向き合い「マンドリン繋がりはもう終わりだ。今後は、共に連絡を取りあわないことにしよう」と告げた。
その言葉にAさんも自然とうなずく事が出来た。
そして「志しの2人」は別れ、これまでこのお二方は、年賀状、電話のやり取りもなく、双方何処でどんな人生を歩んでんでいるのかも知らない。
間もなく50年を迎えようとしている。
新しい「核」を創り、事を成し遂げ、後を振り向かない、やはりサムライなのか。
注)昨年、Bさんを準備会メンバーが、探し出すことが出来ました。
尚、この記載内容は、諸先輩方の話を繋ぎ合わせ作成しましたが、年月が余りにも過ぎているため記憶が定かでなく、多少事実と異なる可能性があることをご承知願います。
1971年11月13日
第1回定期演奏会
オープニング曲